販売事例: 愛媛朝日テレビ,IKEUCHI ORGANIC

「理念で選ばれるタオルを世界へ」

- 地方メディアが挑む今治タオルの海外展開

より大きな世界への挑戦

会社の新規事業としてEC事業を手がけてきた愛媛朝日テレビ 技術局 兼 営業局事業創造部の黒河様が、海外展開を決意したのは「より大きな世界で事業を展開したい」という思いからでした。愛媛朝日テレビでは、放送事業に加えて新規事業としてEC事業を展開しており、新たな販売の形を模索していました。

「日本国内だけで勝負するのはもったいないと思ったんです。海外のECの成長性と、日本製品の品質の高さを武器にできる確信がありました。」黒河様は当時を振り返ります。

「『誰に、何を、どう売るのか』を改めて考えた時、愛媛で育った自分にとって身近だった今治タオルに自然と目が向きました。しかし調べてみると、意外な事実に気づいたのです。」

「品質は世界トップクラスなのに、なぜ海外での認知度が高くないのか。その疑問から、実際にさまざまな今治タオルメーカー様にお話を伺いました。」そこで見えてきたのは、海外の水質や文化の違い、OEKO-TEXなどの安全基準への対応といった具体的な課題でした。

IKEUCHI ORGANIC様との出会い

そうした中で出会ったのがIKEUCHI ORGANIC様でした。同社代表の池内様は、先代の社長として長年会社を牽引し、現在はモノづくりの責任者として品質へのこだわりを貫いています。

IKEUCHI ORGANIC様は、20年以上前から海外の現地店舗や展示を通した販売実績を持つ老舗企業です。「風で織るタオル」として知られる同社は、100%再生可能エネルギーによる製造を早くから実現し、海外の環境意識の高い顧客層から支持を得てきました。

しかし近年は、東京、京都、福岡といった国内の主要都市での展開に重点を置き、海外展示会への参加は控えめになっていました。

「うちは70年以上の歴史がありますが、ここ10年ほどは国内に販売の拠点を集中させていました。海外の展示会は費用対効果を考えると難しい面もあって。」と池内様は説明します。

同社は、繊維製品が有害物質を含んでいないことを証明する国際的な安全基準認証のOEKO-TEXの中でも、最も厳しい「クラス1」を取得し、さらに風力発電のみで製造する環境配慮型の哲学を貫いています。

「タオルは単なる生活用品ではなく、肌に触れた瞬間に自然の豊かさと温かみが伝わるものであるべきだと考えています。だからこそ、素材から製造工程まで、すべてにこだわり抜いているんです。」池内様のこの理念に、黒河様は強く惹かれました。

世界基準の安全性、環境へのこだわり、そしてものづくりへの姿勢を兼ね備えたメーカーは非常に少なく、「これこそ世界に届けるべきタオルだ」と黒河様は確信したのです。

黒河様は池内様に理念に惹かれたことや海外販売をしたいという意思を伝えて、愛媛朝日テレビ様がIKEUCHI ORGANIC様のタオルを世界に販売していくことになりました。

Amazonグローバルセリングを選択した理由

海外展開の方法として、Amazonグローバルセリングを選択した理由について、黒河様は答えます。

「自社ECに比べてマーケティング・運用の負担が圧倒的に少ないと感じたためです。自社ECでは集客のための広告費や運用リスクが大きく、少人数で戦うには不向きな面があります。」

その点、Amazonはマーケット内での検索や広告が整備されており、Amazon内で完結したマーケティングができるため、少数精鋭でも十分に勝負できる環境だと黒河様は判断しました。

「広告運用をAmazon内で完結でき、販売・発送・顧客対応までFBA*を使えばほとんどAmazon側で完結する。日本から商品を倉庫に送るだけで世界に参入できるんです。これらが非常に大きなメリットでした。」
*FBA:フルフィルメント by Amazonのプログラムとサービスは、出品者が商品をAmazonフルフィルメントセンターに納品し、Amazonがこれらの商品をピッキング、梱包、出荷して、カスタマーサービスの提供も行います。

一人体制でのAI活用による効率化

特筆すべきは、黒河様がほぼ一人体制で海外展開を実現していることです。この効率的な運営を可能にしているのが、AI技術やツールの積極的な活用です。

「機能ではなく感情で選ばれるページづくりを意識しています。柔らかさや吸水性といった機能面だけでなく、IKEUCHI ORGANICの唯一無二のオーガニック理念や背景ストーリーを伝えることが重要だと考えています。」

商品ページ作成において黒河様がこだわったのは、視覚的な統一感です。「商品画像は『1画像=1メッセージ』に統一し、過度に盛り込まないシンプルなデザインにしています。」

最大の課題となったのが、アメリカ向けの画像制作でした。ブランドカラーの黄色でトーンを揃えて視覚的な統一感を出し、欧米ユーザーに自然に"自分ごと化"してもらえるよう、海外の生活シーンに馴染むビジュアルを用意する必要がありました。

「愛媛県では欧米のモデルを手配することが難しい状況でしたが、ツールを駆使し、表情や背景に問題のない範囲で調整することで、コストをかけずにアメリカ向けの画像制作を実現しました。もともと業務で画像編集に携わっていた経験もあり、そのスキルを活用しています。」

この技術的なアプローチにより、大規模な制作チームを持たない地方企業でも、海外で通用する高品質なビジュアルコンテンツを制作することが可能になったと語ります。

戦略的な広告運用

広告運用において、黒河様が最も効果的だった施策について語ります。

「レビューが揃うまで広告をあえて我慢したことです。Vineプログラムで一定数のレビューと評価が集まってから広告を本格的に開始したことで、クリック単価の低下とコンバージョン率の改善が顕著に見られました。」

「レビューが整った状態で広告を走らせる方が、ユーザーの信頼がある分、広告効率が大きく向上することを実感しています。」

最大の課題は「顧客像の見えなさ」

海外展開で直面した最大の課題について、黒河様は率直に打ち明けます。

「購入者の顔がまったく見えないことでした。カテゴリーの需要の調査や競合商品の販売数はツールで把握できるものの、『どんな人が、どんな課題を抱えていて、何を期待して購入してくれるのか』という本当の顧客像が販売前は見えてこなかったのです。」

また、タオルというカテゴリー特有の課題もありました。「タオルは差別化が非常に難しいと改めて感じました。商品画像を撮影しても、実際に公開すると他社と大きく差がないように見えてしまうんです。」

そこで取った対策は明確でした。「メイン画像にはブランドの特徴でもあるトレーサビリティカードを明確に表示し、『信頼性』と『理念』が視覚的に伝わることを最優先にデザインしました。」

この課題解決には、Vineプログラムが非常に役立ちました。「現地ユーザーのリアルなレビューを早い段階で集めることができ、その内容を確認しながら商品訴求とのミスマッチがあれば即座に修正する運用に切り替えました。」

アメリカ消費者の「背景重視」に驚き

現地の商習慣で特に印象に残ったことについて、黒河様は驚きを隠せません。

「アメリカの消費者が『素材の背景』を非常に重視していることです。オーガニックの繊維製品の基準と認証マークであるGOTS認証や、風力発電による生産といった背景情報をA+コンテンツで丁寧に説明したところ、レビューで『理念に感銘を受けて購入した』という声を数多くいただきました。」

「日本以上に、アメリカでは環境配慮やサステナブルな姿勢に対する関心が高く、その文化の違いを強く実感しました。」

着実な成果と大きな目標

海外展開による具体的な成果について、黒河様は手応えを感じています。

「初期レビューから高評価が継続し、とても安定した評価をいただいています。プロモーション後の購入転換率が大幅に改善し、広告効率も向上しました。ブランドストーリーが海外ユーザーに強く刺さり、想定以上にリピート購入が多いという結果が出ています。」

「全体として、IKEUCHI ORGANICは『安さではなく、世界観や理念で選ばれるブランド』として認識され始めていると感じています。」

地域メディア×老舗メーカーの新しい連携モデル

愛媛朝日テレビ様とIKEUCHI ORGANIC様の連携は、地域メディアと老舗メーカーによる新しいビジネスモデルとして注目されています。

「メディア企業が持つ情報発信力とEC運営ノウハウ、そして製造企業が持つ技術力と品質管理能力。この組み合わせにより、単独では難しい海外展開が可能になりました。」と黒河様は説明します。

特に、IKEUCHI ORGANIC様が過去に築いた海外販売の知見と、愛媛朝日テレビ様の新しいデジタルマーケティング手法の融合により、従来の海外展示会頼みとは異なる効率的な展開が実現しています。

「展示会に数百万円をかけるより、Amazon上でまず実績を作り、その成功を基に他の展開を考える方が現実的です。」

池内様も、この新しい連携に期待を寄せています。「長年培った技術と品質は自信がありますが、デジタルマーケティングは正直苦手分野でした。黒河さんのような専門性を持った方と組むことで、新しい可能性が開けたと感じています。」

黒河様の今後の目標は具体的です。「まずはAmazon.comでorganic cotton towelジャンルでのベストセラー獲得を目指し、5年目で売上1億円を達成すること。そしてUKをはじめ、他の海外の国へスケールさせることを計画しています。」

これから海外進出を検討している企業へのアドバイス

最後に、これから海外進出を検討している企業へのアドバイスをいただきました。

「ASINは少なく、スモールスタートで始めるといいと思います。まずは少数の商品でお客様の反応を確かめる方が、運用の負担も小さく確実です。」

「レビューを最重要視し、商品の『背景』を丁寧に見せてください。海外展開をする上では商品そのものより、理念や製造背景が強く評価されると感じています。」

「ネガティブレビューは改善のヒントとして活かし、物流は必ず余裕をもって計画してください。これらを押さえておくだけで、海外進出の難易度は大きく下がると実感しています。」

黒河様は最後に、地域メディアとしての使命について語ります。「地域の優れた製品を世界に届ける橋渡し役として、メディア企業の新しい可能性を感じています。今後も地域の宝を発掘し、世界に向けて発信していきたいです。」

池内様からも、メッセージをいただきました。「良いものを作るだけでは、今の時代は通用しません。でも、理念を持って作り続けることで、必ず共感してくれる人がいる。海外展開を通じて、それを改めて実感しました。」
場所
日本
出品中マーケットプレイス
アメリカ、カナダ、メキシコ

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