グローバルセリング

VATへの対応

VATとは

VATは、Value Added Tax(付加価値税)の略称で、物やサービスの購買時に課せられる税金です。EU加盟国の間で行われるビジネス取引、輸入、商品の移動が課税の対象です。EU加盟国でVAT登録をした業者は、販売する商品の価格にVATを追加し、確定申告の際に国内の税務当局に申告します。

EU加盟国のいずれかで商品を販売している場合、VAT(付加価値税)の登録が必要になる場合があります。

VATについて

ここでは、非EU加盟国の出品者様がEUでの出品を検討する際に知っておくべき2つの点をご説明します。

1.VATは、配送先での輸入に対して発生します。在庫をヨーロッパに発送(FBA、つまりフルフィルメント by Amazonを利用する場合はフルフィルメントセンターに発送)すると、その国の輸入VATを支払う必要があります。

2.VATは販売価格に含まれます。EUでは、表示価格にVATが含まれます。たとえば、Amazon.co.jpで、ある商品を1,000円(税抜)で出品しているとしましょう。英国でその商品を同等の価格で出品するには、VATを20%とすると、Amazon.co.ukでの表示価格は1,200円になります。ヨーロッパのAmazonマーケットプレイスにおける価格設定について分析する際はこの点を考慮してください。

出品者様の中には、VATの徴収と税務当局への支払いを、カスタマーやオンラインマーケットプレイスが行っていると思っている方がいらっしゃいます。もしそう思い込んでいると、VATの支払いを行う四半期が来たときに、VATの支払いに関して徴収も貯蓄もしていなかったことに気付き、純利益からVATを支払うことになってしまいます。商品価格を引き上げることで、簡単にこの事態を避けることができます。つまり、請求するべきVATの税率を把握し、販売価格にそのVATを含めるということです。

どこでVATを登録するか

ヨーロッパで在庫を保管している場合は、その国でVATを登録する必要があります。EUに進出した出品者様の多くは、商品の保管先およびVATの登録先として、ドイツまたは英国を選択しています。その理由として、以下の点を挙げることができます。
  • ドイツと英国におけるネットショッピングの需要は、ヨーロッパ最大規模です。より多くのカスタマーに迅速な配送オプションを提供するためには、いずれかの国内での在庫が重要となります。Amazonヨーロッパのフルフィルメントに関する選択肢を確認し、最適な方法を見つけてください。
  • EU離脱によって物流が止まるリスクを減らすことができます。
  • 他のヨーロッパ諸国と比べ、英国とドイツでのVAT登録はシンプルです。
ビジネスが成長して拡大すると、他の国でのVAT登録が必要になる場合があります。

VATに対処するための4つのステップ

出品者様から寄せられる相談の中で多いのは、地元のVAT当局との間に問題が発生し、ヨーロッパでのアカウントが停止したという内容です。VATに関する義務を事前に把握し、計画を立てることで、これらの問題の多くは簡単に回避できます。

1

早めに専門家のアドバイスを受け、VATに関する義務を把握する

多くの出品者様は、VATが複雑であることや日本の売上税と大きな違いがあることを踏まえ、ヨーロッパの税務専門家と契約しています。VATの専門家の多くは、初回無料の相談サービスを提供しています。

Amazonサービスプロバイダーネットワークでは、割引価格でVATの専門家のサービスを受けることができます。

2

ヨーロッパ進出の戦略を練り、準備を行う

ビジネスを成功させている出品者様の多くは、ヨーロッパのマーケットプレイスに進出する戦略を立てる際、VATの専門家からアドバイスを受けています。

ヨーロッパでの販売をお考えの場合は、できるだけ早くVATについての調査を始めてください。最初の段階から、専門家のアドバイスを取り入れてください。価格決定やフルフィルメントを含め、戦略の最初の段階からVATが関係してきます。

料金に適用するVATの税率は、国や商品カテゴリーなどによって異なります。表示価格に適用するべき税率についてはVATの専門家にお尋ねください。

ある出品者様はこう話します。「私たちの商品の価格設定は国によって違います。国ごとに税率が異なるため、VATに関する各国の規定を組み込んだアルゴリズムを使用しています。ほとんどの場合、追加の配送コスト、VAT、為替レートなどを考慮し、自国での最終価格と合うようにしています」。

ヨーロッパ以外を拠点としている出品者様の多くは、ヨーロッパでFBAを利用して販売を行っています。FBAを利用すると物流がシンプルになり、ヨーロッパのマーケットプレイス全体で商品にプライムマークを付けて販売できるようになります。プライムマークは、初回の購入転換率を大幅に引き上げます。

3

ヨーロッパでビジネスを開始し、成長に合わせて調整する

ヨーロッパに進出する出品者様の多くは、AmazonのFBAヨーロッパフルフィルメントネットワーク(EFN)を足がかりにしています。EFNを利用すると、商品の保管場所が1か国で済みます。そのため、ヨーロッパのマーケットプレイスにおけるビジネスの動向を探る間、VAT登録、申告、規制準拠などにかかるコストを最小限に抑えることができます。

商品を保管している1か国以外のマーケットプレイスで販売を行っても、売上に関する規定のしきい値を超えるまでは、他の国で登録する必要はありません。そのため、最初から複数の国でVAT登録をすることなく、ヨーロッパのマーケットプレイスにおける動向を探ることができるのです。ビジネスの成長に合わせて売上が増加してきたら、汎ヨーロッパFBA(Pan-European FBA)といったフルフィルメントの選択肢を検討することをお勧めします。
※英国のEU離脱に伴い、上記について一部変更がございます。詳しく見る

ある出品者様はこう話します。「私たちが汎ヨーロッパFBAに移行した理由には、配送にかかる時間を短縮できることや、配送コストを安く抑えることができるといった利点があります。そして、ビジネスの成長に伴い、7か国すべてでVAT登録できるだけの販売速度に近づいていました。汎ヨーロッパFBAへの移行後、販売がさらに増加したため、VAT登録に資金を費やした価値があったと実感しました」

汎ヨーロッパFBAを利用すると、Amazonは出品者様の需要に合わせてヨーロッパの7か国に在庫を配分します。つまり、7か国すべてでVAT登録が必要になります。

4

税金の申告を外部委託する

Amazonヨーロッパへの進出およびビジネスの成長に伴い、月ごとまたは四半期ごと(国によって異なる)の納税申告が必要になります。自分で申告を管理する代わりに、ヨーロッパのVATサービス会社に外部委託しましょう。

優秀なVATサービス会社に外部委託すれば、ヨーロッパにおける販売状況を監視してもらうことができます。また、VATに関する義務に変更が生じた際、指導を受けることもできます。

よくある失敗

現地の言語を使用するというAmazonの要件を満たすには、出品を開始する前にある程度の計画が求められます。とはいえ、それを理由にヨーロッパでの出品をためらう必要はありません。出品情報を翻訳したり、カスタマーからのお問い合わせに対応したりする際は、以下の3つのステップを思い出してください。ヨーロッパでのビジネスの成長に合わせて、言語に関連するステップを着実に進めてください。

VATに対処する際に外部の助けを求めない

別の地域のAmazonで出品する際は、対象マーケットプレイスの言語で出品情報を記載する必要があります。たとえば、Amazon.deの出品情報はドイツ語で記載します。さらに、カスタマーサポートを行う際も、対象マーケットプレイスの言語を使用する必要があります。

最初の段階は、出品情報の翻訳を支援するAmazonのツールを使用するということです。初めて出品情報を翻訳する場合、Amazonが提供するツールを使用してみましょう。Amazonの商品翻訳ツールでは、機械翻訳(無料)か、プロによる翻訳(1単語あたりの料金設定あり)をご利用いただけます。対応言語は、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語です。

VATに関して日本の会計士に相談する

日本の会計士のほとんどは、VATの専門家ではありません。たとえVATに関する一般的な相談であったとしても、日本の会計士にアドバイスを求めることはお勧めしません。

多くの出品者様は、日本の会計士からVATが複雑だという話を聞くため、ヨーロッパでの出品をためらってしまいますが、ヨーロッパの税務専門家に相談すれば、それぞれのビジネスの要件や選択肢を理解した上で、適切なアドバイスをしてくれます。

Amazonでのビジネスをあまり把握していないVATの専門家と契約する

VATの専門家全員がAmazonヨーロッパへの出品に関する要件を熟知しているわけではありません。

ヨーロッパで年間90万ドルもの売上を出しているある出品者様はこう話します。「以前利用したVATの専門家サービスでは、Amazonでのビジネスをあまり理解していないようでした。その結果、長期的な痛手を負ってしまいました。税金に関するデータを集めてその専門家に提出するのに多くの時間が取られ、担当のミスも目立ちました。Amazonに出店している企業のVATを処理した実績のある専門家を探してください。VATの専門家の多くは、Amazonでの独特なビジネス形態について完全には把握していないかもしれません」

VAT登録を行わない、または先延ばしにする

登録を行わなかったり先延ばしにしたりすると、アカウントが停止されるおそれがあります。

出品者様の中には、必要なVAT登録を行わずに在庫を英国に発送する方がいます。これはアカウントの停止につながります。在庫を発送する前に、必ずVAT登録を済ませてください。

登録には時間がかかる場合があるため、できるだけ早くVAT登録に取り掛かりましょう。

現在英国でVAT番号の取得にかかる日数はおよそ10~12日です。繁忙期には、処理日数がさらに伸びることがあります。

次のステップ

ある程度の時間をかけて検討を重ね、VATを適切に管理していくことで、ヨーロッパでのビジネスを拡大することができます。上記の4つのステップに従い、VAT関連の問題が発生しないようにしましょう。そして何より、ヨーロッパのAmazonでビジネスを展開し、成長させることに集中してください。
注意:この記事は、EU加盟国に在庫を配送する際の重要な義務についての概要を説明することを意図しています。在庫の配送に関する包括的なガイドではなく、税務に関するアドバイスを与えるためのものでもありません。ご自身の義務について何か不明な点がある場合は、該当する税務当局または独立した税務専門家にご相談ください。